Letter 医学:アダプタータンパク質であるTIRAPはToll様受容体のシグナル伝達特異性を付与する 2002年11月21日 Nature 420, 6913 doi: 10.1038/nature01180 哺乳動物のToll様受容体(TLR)は感染の感知装置として働いており、自然免疫と適応免疫応答の活性化を誘導する。TLRは病原体と関係のある保存された分子産物を認識して、宿主の防衛反応を活性化する。その活性化は、TLRのシグナリングに関与する細胞内ドメインであるToll/インターロイキン‐1 受容体(TIR)ドメインとその下流にあるアダプタータンパク質であるMyD88を介して行なわれる。TLRとインターロイキン‐1(IL-1)受容体ファミリーのメンバーののシグナル伝達はすべてMyD88を介して起こるが、個々の受容体によって誘導されるシグナル伝達経路はそれぞれ異なっている。TIRAPは、TLRのシグナル伝達系で働くアダプタータンパク質で、TLR4の下流で機能することが確かめられている。本論文では、TIRAP遺伝子を欠損したマウスを作出したことを報告する。TIRAP欠損マウスはTLR5、TLR7およびTLR9のリガンドによる刺激に応答し、IL-1とIL-18にも正常な応答を示した。しかし、サイトカインの産生や、TLR4のリガンドであるリポ多糖に対して起こるNF-kBの活性化、さらにMAPキナーゼの活性化は見られなかった。また、TIRAP欠損マウスはTLR2、TLR1、TLR6のリガンドに対する反応も不完全であった。したがって、TLRファミリーのメンバーによるシグナル伝達におけるTIRAPの関与はさまざまに異なっており、これが個々のTLR受容体の下流のシグナル伝達系の特異性の原因である可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る