Letter 進化:大腸菌K-12株は適応進化をしてin silicoで予測した通りの最適増殖をする 2002年11月14日 Nature 420, 6912 doi: 10.1038/nature01149 注釈づけされたゲノム配列は、細胞全体の代謝ネットワークを再構築するのに使うことができる。これらの代謝ネットワークは、複雑な生理機能を研究する際にモデル化し、コンピューター計算によって解析することが可能である。特に、制約条件を加えたin silicoモデルは、一般的な炭素基質の下での最適増殖率を算定するのに使われており、得られた結果は、多くの条件の下での実験データと一致することがわかっているが、全ての場合というわけではない。最適な生理機能は、進化の過程で獲得される。したがって、最適性能規範に基づいて得られるin silicoモデルの予想が不正確なのは、検証された諸条件の下での適応進化が不完全なせいかもしれない。大腸菌K-12株MG1655は、炭素源をグリセロールのみとした場合の増殖は最適状態に及ばない。本論文では、増殖の選択圧の下に置いたとき、グリセロールを炭素源とする大腸菌の増殖率は、40日余りもしくは約700世代かけて、最適値以下から、細胞全体のin silicoモデルから予測される最適増殖率へと、再現性のある進化を遂げたことを報告する。これらの結果は、in silico解析をもとに演繹的に決定された代謝状態を実現するために、代謝ネットワーク全体の適応進化を利用する可能性を開くものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る