Letter 生態:大規模な気候による動物個体群動態の同調 2002年11月14日 Nature 420, 6912 doi: 10.1038/nature01064 動物個体群の動態が気候と同調するのではないかという仮説は、気候変動を考えれば極めて妥当である。というのは、複数の個体群の動態と環境との間に相関関係があるのであれば、気候変化に対して同時に反応する可能性があると考えられるからである。北半球に生息する多くの種の動態は、一つの大規模な気候システムである北大西洋振動(NAO)の影響を受けている。NAOは、局地的な気候に対して高度に相関した地域的影響をもたらす。しかし、連続した地域内における個体群の同調変動を大規模な気候に結びつけようとする試みは、分散または栄養的相互作用が同調に影響することからはかばかしくない。本論文では、グリーンランドの両端に生息するカリブーとジャコウウシの動態が、NAO指数と相関する両種の個体群内で空間的同調性を示すことを報告する。今回行った分析で、最も狭い部分で1,000 kmの内陸氷で隔てられてペアをなしているカリブーおよびジャコウウシ個体群の種を越えた高度の同調にNAOが影響することがわかった。2つの種の生息地ははるかに離れており、物理的および生態的に完全に分離していることから、分散や相互作用による空間的な関連の可能性は除外される。以上の結果は、異なる種の動物個体群が、地球規模の気候変動に対して広い範囲で同調して反応する可能性があることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る