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生態:ゼニガタアザラシの選択的順化は聴覚による捕食者認識を形成する

Nature 420, 6912 doi: 10.1038/nature01030

捕食は動物の行動形成に大きく寄与するので、捕食者を正確に同定することは、他者の食物となる動物に実質的な選択有利性をもたらす。捕食者と遭遇すると命を落とす場合があるので、捕食者の認識には学習は必要ないと初期の鳥類研究者たちは考えていた。しかし、捕食者に結びつく手がかりが大きくばらついていたり経時変化したりするような状況では、学習や経験によって捕食者だという判断イメージを変えることができれば、被食者にとって有利となる。今回、シャチ(Orcinus orca)の異なる個体群が水面下で出す鳴き声に対するゼニガタアザラシ(Phoca vitulina)の反応を調べた。その結果、ゼニガタアザラシが、哺乳類捕食性シャチと、過去に遭遇したことのない魚類捕食性シャチの鳴き声には強く反応するものの、同じ海域に生息する魚類捕食性個体群の出す聞き慣れた鳴き声には反応しないことがわかった。この結果は、野生のゼニガタアザラシが複雑な音響識別能力をもつことと、無害なシャチの鳴き声に選択的に順化することで捕食者に対するイメージを変えていることを示している。つまり、ゼニガタアザラシのような動物が抱く恐怖は、学習および経験によって、自分の生息域に限定する脅威に集中している。

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