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医学:HMG-CoA還元酵素阻害剤であるアトルバスタチンはTh2への偏りを促し、中枢神経系の自己免疫疾患の麻痺を改善する

Nature 420, 6911 doi: 10.1038/nature01158

HMG-CoA(3‐ハイドロキシ‐3‐メチルグルタリル‐コエンザイムA)還元酵素阻害剤であるスタチン類は、コレステロール低下薬として認可されているが、炎症性疾患の治療にも有効である可能性がある。多発性硬化症のCD4+Th1媒介性の中枢神経系(CNS)の脱髄性疾患モデルである慢性および再発性の実験的自己免疫性脳脊髄炎を用いてアトルバスタチン(リピトール)の効果を調べた。本論文では、アトルバスタチンの経口投与により慢性および再発性の麻痺が抑制もしくは改善されることを明らかにする。アトルバスタチンは、STAT6のリン酸化とTh2サイトカイン(インターロイキン(IL)-4、IL-5とIL-10)及びトランスフォーミング成長因子(TGF)-βの分泌を誘導する。反対に、STAT4のリン酸化は阻害され、Th1サイトカイン(IL-2、IL-12、インターフェロン(IFN)-γと腫瘍壊死因子(TNF)-α)の分泌が抑制された。アトルバスタチンは、Th0細胞のTh2細胞への分化を促進した。これらのTh2細胞を養子移入すると、レシピエントマウスではEAEの誘導が防止された。アトルバスタチンは、CNSへの細胞浸潤と主要組織適合複合体(MHC)クラスIIの発現を低下させた。ミクログリア細胞をアトルバスタチンで処理すると、MHCクラスIIトランス活性化因子(CIITA)の複合的なプロモーターによるIFN-g誘導性の転写が阻害され、クラスII因子の発現増大が抑制された。アトルバスタチンは、IFN-γ誘導性のCD40、CD80そしてCD86共刺激分子の発現を抑制した。HMG-CoA還元酵素の産物であるι‐メバロン酸は、抗原提示細胞(APC)及びT細胞におけるアトルバスタチンの効果をうち消した。APCもしくはT細胞のどちらかをアトルバスタチンで処理すると、抗原特異的なT 細胞の活性化が抑制された。このようにアトルバスタチンは、APCとT 細胞の両方の細胞区分に関係した、多面的な免疫調節効果を有している。スタチン類は、おそらく多発性硬化症や他のTh1媒介性の自己免疫疾患に有益であると考えられる。

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