Article 生化学:T7RNAポリメラーゼ伸長複合体の2.9Å分解能の構造 2002年11月7日 Nature 420, 6911 doi: 10.1038/nature01129 バクテリオファージ単一サブユニットからなるT7 RNAポリメラーゼは、細菌や真核生物の複数サブユニットで構成される酵素と同じ方法で転写サイクル反応を触媒する。本論文ではT7 RNAポリメラーゼの伸長複合体の結晶構造を報告する。この構造は、8塩基対のRNA-DNAハイブリッドが活性部位に結合することでアミノ末端ドメインの大幅な構造変化が誘導されることを示している。この構造変化には約130残基の折りたたみの変化、および安定なコアのサブドメインの大きいな配向変化(約130°の回転)が含まれており、その結果安定な転写伸長に必要な要素をもつ構造ができる。RNAの出口になると思われる広い開口部が酵素表面に形成され、RNA-DNAハイブリッドは新しく形成されたタンパク質の深いくぼみに完全に埋まっている。下流DNAの10塩基対の結合は、主に遠達的な静電的相互作用によって安定化される。この構造から、転写サイクルの様々な段階について妥当と思われる機構が示唆され、複数サブユニットで構成されるRNAポリメラーゼとの重要な構造類似性が明らかになる。 Full Text PDF 目次へ戻る