Article 生理:線虫の加齢に伴う組織の特異的な衰えには、確率的要因と遺伝的要因が影響する 2002年10月24日 Nature 419, 6909 doi: 10.1038/nature01135 線虫Caenorhabditis elegansは、老化の遺伝学を研究するのに重要なモデル生物であり、寿命を延ばす変異がこれまでに50以上も知られている。しかし、線虫の老化の病理生物学はほとんど解明されていないため、遺伝子型と老化の表現型とを結びつけようとしても限界があった。本研究では、超構造の解析と緑色蛍光タンパク質を利用した特定の細胞の可視化によって、加齢につれて線虫のさまざまな組織の細胞が完全な姿からどう変化するかを調べた。加齢がかなり進んでも神経系は驚くほどよく保存されているのに対し、筋では次第に劣化が進み、ヒトのサルコペニアに似た症状を示す。寿命が60〜100%延びるage-1(hx546)変異では、老化を示す細胞の生物標識の、全部ではないものの一部が遅くなる。意外にも、線虫の老化では同年齢の線虫の間でも、また同じ個体の同型の細胞でもばらつきが大きく、遺伝的要因だけでなく確率的要因も同じように重要なことを示す強力な証拠が得られた。 Full Text PDF 目次へ戻る