Letter 地球:高温高圧下でのMg0.9Fe0.1SiO3ペロフスカイトの強度 2002年10月24日 Nature 419, 6909 doi: 10.1038/nature01130 地球の下部マントルは主に(Mg,Fe)SiO3ペロフスカイトと(Mg,Fe)Oマグネシオヴスタイトからできており、ペロフスカイトが少なくとも全体の体積の70%を占めている。上部マントルの主要な鉱物であるカンラン石の流動学的性質(レオロジー)はよく調べられているが、ペロフスカイトの流動学的性質についての知識は限られている。地震学的研究は沈み込む海洋リソスフェアのスラブは、ペロフスカイトが形成される深さでは水平方向に曲がっている場合が多いことを示しており、また氷河期からの回復過程における地球の形状と重力場の変化は、粘性がマントル下部で増加していることを示している。ペロフスカイトの流動学的性質はこのような現象を支配する上で重要となる可能性がある。しかし、(Mg,Fe)SiO3ペロフスカイトは大気圧の下では高温で安定ではなく、したがって(Mg,Fe)SiO3ペロフスカイトの力学的性質を調べることは困難である。ペロフスカイトの流動学的性質を調べた研究のほとんどは類似物質に対して行われており、(Mg,Fe)SiO3ペロフスカイトについての実験データはダイヤモンドアンビルセル内で室温で行われた強度測定と、大気圧の条件下で行われた微小硬度試験に限られている。ここでは、(Mg0.9,Fe0.1)SiO3ペロフスカイトの高温高圧における強度と応力緩和測定結果について報告する。遷移層鉱物であるリングウッダイトと比較すると、同じ温度圧力条件ではペロフスカイトの方が室温では弱いことが分かった。これはこれまでのダイヤモンドアンビルセルを用いた実験と一致している。高温では、ペロフスカイトはリングウッダイトよりも強いことが分かった。 Full Text PDF 目次へ戻る