Letter 進化:雌のガに見られる交配相手の好みの父系遺伝 2002年10月24日 Nature 419, 6909 doi: 10.1038/nature01027 ヒトリガ科の仲間であるUtetheisa ornatrixの雌は、より大きい雄と優先的に交配し、直接的には表現型の利益を、また間接的には遺伝的な利益を得る。本論文では、こうした雌の交配相手に対する好みが、母親ではなく父親を介して遺伝することを実証し、この選り好みの遺伝子(1個または複数)の大部分かすべてが、父親から娘へと確実に受け継がれるZ性染色体に存在することを示唆する。さらに我々は、この好まれる雄の形質とこの形質に対する雌の好みとが相関しており、それは、より大きい父親を持つ娘は大きい雄を強く好むからであることを示す。これらの知見は、防護型侵害理論(protected invasion theory)によって予測される。この理論では、鱗翅目や鳥類に見られる、雄が同型となる性染色体システム(ZZ/ZW)が、性選択を介して、雄の大型化という形質の進化を促すと考える。すなわち、この理論の予測するところによれば、Z染色体上に生じた雌の選り好みを担う対立遺伝子は、息子たちの一部ではなく、すべてに受け継がれて、息子たちは父親の異性を引きつける形質を備えるので、こうした対立遺伝子はより強い正の選択を受けることになり、常染色体にある対立遺伝子に比べて消失する確率が少ない。 Full Text PDF 目次へ戻る