Letter

材料:フラーレンを頂点とする円錐形分子が積み重なって結晶および液晶中で極性カラムを形成

Nature 419, 6908 doi: 10.1038/nature01110

極性を示す液晶材料は光学・電子材料への応用が可能であり、最近、極性をもった分子の形状と相互作用を活用して、分子が配向する構造を形成させる戦略に興味がもたれてきている。例えば、バナナ型の分子では、その湾曲部分がスメクチック層内に並ぶ。一方、円錐型の分子は極性のあるカラム状集合体を作るはずだ。しかし、これまでに使われた分子は平べったく、また、反転しやすいため、この手法での極性液晶材料の作製はあまり成功しなかった。今回我々は、C60フラーレン分子の1個の五角形に5個の芳香族基を結合させると尖った円錐形分子ができ、これが積み重なって極性カラム状集合体を作ることを示す。球状のフラーレン部分と、同じカラム内の隣の分子の5個の芳香族側鎖で形成される中空円錐との間の引力相互作用により、積み重なりが引き起こされる。この充填パターンは、芳香族鎖を柔らかい脂肪族鎖で延長しても維持され、サーモトロピック液晶とリオトロピック液晶の特性をもつ化合物が得られた。これとは対照的に、以前に報告されたフラーレン含有液晶はどれもサーモトロピック特性のみを示し、フラーレン部分を液晶形成単位(メソゲン)の機能性部位として含むものはない。我々の設計戦略は他の分子にも適用可能で、新しい極性液晶材料を幅広く生み出すだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度