Letter 発生:DIXドメインは、dishevelledをアクチンストレスファイバーおよび小胞膜に向かわせる 2002年10月17日 Nature 419, 6908 doi: 10.1038/nature01056 結腸直腸癌は、β‐カテニンの量を制御するWntシグナル伝達経路の成分に変異が生じることで発生する。Dishevelled(DvlまたはDsh)は、Wnt受容体の下流でシグナル伝達に関与し、細胞増殖および胚軸形成時にb‐カテニンを安定化させる。またDvlは、原腸形成期における細胞骨格の再構築、ならびに非対称細胞分裂期における紡錘体方向の決定に関与する。Dvlは、DIXドメインと呼ばれる、構造および生体機能が不明の、85残基からなる保存されたモジュールを含む真核生物のシグナル伝達タンパク質ファミリーのタンパク質である。本論文では、DIXドメインがin vivoでアクチンストレスファイバーおよび細胞質小胞への輸送に関与することを報告する。アクチンおよびリン脂質に接する相互作用部位は隣接しており、核磁気共鳴分光法(NMR)測定により2本のへリックスの間にあることがわかっている。アフリカツメガエル(Xenopus)で、アクチン結合モチーフに変異を導入すると、細胞骨格へのDvlの局在はみられなくなるが、Wnt/β‐カテニンのシグナル伝達および胚軸の誘導は促進される。これとは対照的に、リン脂質と相互作用する部位に変異を導入すると、Dvlと小胞の結合、Dvlのリン酸化、Wnt/β‐カテニンシグナル伝達経路の活性化がみられなくなる。DIXドメインによってDvlが細胞骨格および小胞のプールに分配されることが、Wntシグナル伝達系における分岐点の一つになると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る