Letter

細胞:原核生物のClC塩素イオンチャネルの生物学的役割

Nature 419, 6908 doi: 10.1038/nature01000

大規模なゲノム解析によって得られた予想外の知見の1つに、長い間ニューロンで研究されてきた分子ファミリーに属するイオンチャネルを原核生物が発現しているという事実がある。細菌と古細菌は、電位依存性カリウムチャネル、内向き整流性カリウムチャネル、カルシウム依存性カリウムチャネルと、ClC型塩素イオンチャネル、イオンチャネル型グルタミン酸受容体、ナトリウムチャネルの遺伝子をもつことが知られている。2種類のカリウムチャネルと塩素イオンチャネルについては、これら相同体が構造決定を行う際の手がかりとなった。しかし、これらのイオンチャネルが細菌で何に使われているのかは、未だに解明されていない。細菌から脊椎動物にまで、機能的に重要な配列が高度に保存されていること、また、構造それ自体も高度保存されていることから、原核生物はこれらのイオンチャネルを、構造生物学者に高品質のタンパク質を提供する以上の適応的役割に利用していることが示唆される。ここでは、大腸菌に広く存在するClCファミリーの塩素イオンチャネルが、過剰な酸に対する抵抗反応に利用されていることを明らかにする。このチャネルは、アミノ酸の脱炭酸に関係する仮想上の外向きプロトンポンプの電気シャントの働きをすると、われわれは考える。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度