Letter 細胞:Bcl-2が制御するカスパーゼ活性化によって、シトクロムc/Apaf-1/カスパーゼ‐9アポトソームとは無関係に誘導されるアポトーシス 2002年10月10日 Nature 419, 6907 doi: 10.1038/nature01101 アポトーシスは、進化の過程で保存されてきた細胞の自殺過程で、システインプロテアーゼ(カスパーゼ)によって実行され、Bcl-2ファミリーの相反する作用を持つ2群のタンパク質によって調節されている。哺乳類のアポトーシスには、カスパーゼ‐9とその活性化因子Apaf-1が不可欠だと考えられている。この2つのどちらかが欠失したマウスでは、ニューロンの過形成が見られ、リンパ球と繊維芽細胞がある種のアポトーシス刺激に対して耐性を示すからである。Apaf-1がカスパーゼ‐9を活性化するにはシトクロムcが必要で、Bcl-2はミトコンドリアのシトクロムcの遊離を妨げることから、Bcl-2はミトコンドリア膜の完全性を守ることにより、アポトーシスを阻害するという考え方が通説となっている。本論文では、Bcl-2にそれとは異なるもっと幅広い役割があることを示す。マウスでBcl-2を過剰に発現させると、リンパ球の数が増加し、多くのアポトーシス刺激への反応が阻害されたが、Apaf-1あるいはカスパーゼ‐9がなくても、このような現象は見られなかった。Apaf-1またはカスパーゼ‐9をもたない細胞でもカスパーゼ活性は認められ、強力なカスパーゼ拮抗薬によりアポトーシスが阻害され、シトクロムcの遊離も低下した。つまり、Bcl-2は、シトクロムc/Apaf-1/カスパーゼ‐9からなるアポトソームとは関係なくカスパーゼ活性化プログラムを調節しており、このアポトソームはカスパーゼカスケード反応を開始させるのではなくて増幅するらしいと結論される。 Full Text PDF 目次へ戻る