Letter 細胞:大腸菌RepヘリカーゼによるDNA巻き戻しの開始および再開 2002年10月10日 Nature 419, 6907 doi: 10.1038/nature01083 ヘリカーゼは、ATPの結合と加水分解によって起こるコンホメーション変化により、二本鎖DNAを巻き戻すモータータンパク質であり、ヒトのいくつかの疾患に関係がある。一部のヘリカーゼは六量体リングの形をとって機能するが、非六量体型のヘリカーゼがどんな形態で機能するかについては議論の途上にある。我々は今回、表面固相化法(surface immobilization scheme)と、1分子蛍光分析法(生物学的な機能を妨げることがない)を併用して、大腸菌RepヘリカーゼによるDNA巻き戻しについて調べた。その結果、Rep単量体はATP加水分解を使って一本鎖DNAと二本鎖DNAの接合点に近づくが、その後、DNA巻き戻しに至らないようなコンホメーションの揺らぎを見せる。DNA巻き戻しが開始されるのは、さらにタンパク質が付加結合して、機能を持ったヘリカーゼが形成された場合のみである。巻き戻しの最中にこの機能性複合体の部分的な解離が起こると、巻き戻しが中断され(「立ち往生」)、複合体が完全に解離して二本鎖が巻き戻るか、もしくは、機能性ヘリカーゼが再形成されて巻き戻しを再開する。これらの結果から考えると、in vitroでRepの巻き戻しの際の移動が遅いのは、機能性複合体が相対的に不安定なためであろう。ここで使われた手法は他のヘリカーゼ種やタンパク質−DNA相互作用の動態研究に有用だと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る