Letter

地学:大洋中央海嶺玄武岩の化学的性質と大陸からの距離との間の相関

Nature 419, 6907 doi: 10.1038/nature01052

地球の対流しているマントルの構造と力学過程をきちんと理解するためには、マントル内部の温度変異の原因を解明する必要がある。このような温度変異を説明するために様々な仮説が提案されているが、それは例えば、熱は放射性元素の崩壊により生じているというものや、熱が地球の核から流入しているというものである。さらに、理論的研究は大陸陸塊の熱的性質がマントル対流に影響を及ぼし得ることを示唆しているが、このようなモデルを検証するために使える定量的データは少ない。この後者の問題に取り組むために、我々は、生成源のマントルの温度を反映する大洋中央海嶺玄武岩の化学的性質を、最も近い大陸縁から海嶺までの距離の関数として調べた。沈み込み帯やホットスポットに近い海嶺では相関は全く見られず、沈み込み帯はおそらく大陸下マントルと海洋下マントルの間の熱輸送を阻害していると考えられるが、一方でホットスポットは海嶺玄武岩の主成分元素の化学的性質に影響を与えており、マントル温度という観点からはその解釈をより困難なものにしている。しかしながら、大西洋とインド洋の大洋中央海嶺玄武岩に対しては顕著な相関が見られる。このことから我々は、大陸陸塊の活動している海嶺に対する位置が、マントル内の大規模な温度構造に影響を及ぼしていると結論を下し、マントルは大陸縁から離れると1キロメートルあたり0.05から0.1℃冷却されると推定する。

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