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生化学:原子レベルの分解能で見たタンパク質ファルネシルトランスフェラーゼの反応経路

Nature 419, 6907 doi: 10.1038/nature00986

タンパク質であるファルネシルトランスフェラーゼ(FTase)は、Rasスーパーファミリーのメンバーを含む、数多くの重要なシグナル伝達タンパク質にファルネシル基を結合させる反応を触媒する。Ras癌タンパク質はヒトの癌のおよそ30%にかかわっているが、その形質転換能にはファルネシル化が不可欠である。FTase阻害剤を利用した癌治療は、現在臨床試験が行われている。本論文では、この酵素の反応過程の主要な段階それぞれに対応する、全ての構造を示す。これらの観察結果から、基質特異性を決定する要因や、産物の遊離に基質の結合を必要とするという、古典的な連続反応酵素に類似した珍しい機構が推定できる。これまでの反応機構研究と一致する遷移状態の構造モデルも構築した。この反応が持つ連続的な性質は、類似の酵素II型ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼがRabタンパク質に2個のプレニル基を連続的に付加する反応の構造基盤を示唆している。また、既知のFTase阻害剤類は、酵素を阻害する機構がそれぞれ異なっていると考えられる。

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