Letter 細胞:センサリーロドプシンII‐トランスデューサー複合体による、膜を通したシグナル伝達の分子基盤 2002年10月3日 Nature 419, 6906 doi: 10.1038/nature01109 微生物のロドプシン類は、レチナールを補欠分子族としてもつ7回膜貫通型タンパク質ファミリーを構成しており、真正細菌、古細菌、真核生物という3つのドメインすべてに分布している。この光活性タンパク質のファミリーは、1つの共通した構造を、光駆動性イオン輸送と走光性という2つの異なった機能を果たすのに使っている。センサーであるロドプシンが活性化するシグナル伝達鎖は、真正細菌の走化性にかかわる二成分系によく似ている。光受容体と、次に働く細胞質のシグナル伝達カスケードを結びつけるのはトランスデューサー分子で、2本の膜貫通ヘリックス(TM1とTM2)によって対応する受容体に特異的に強く結合する。古細菌の一種、Natronobacterium pharaonisのセンサリーロドプシンII(SRII)は、トランスデューサー(HtrII)と複合体を作っており、光により励起されるとヘリックスFが外側に動いて、さらにそれが引き金となってTM2が回転する。このTM2の変化が細胞内シグナルへと変換されるしくみはわかっていない。本論文では、N. pharaonisのSRIIとHtrII受容体結合ドメインが作る複合体のX線構造を分解能1.94Åで決定したので報告する。これによって、シグナル伝達の第一段階を原子レベルで解明できる。今回の結果から、走光性と走化性における第一段階の機構が共通していることを示す証拠が得られた。 Full Text PDF 目次へ戻る