Letter 医学:プロテオミクスから見たマラリア原虫の生活環 2002年10月3日 Nature 419, 6906 doi: 10.1038/nature01107 熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のクローン3D7の全ゲノム塩基配列の解読完了は、このヒト病原体を対象とする比較プロテオミクス研究を進める際の出発点となる。今回、新しい薬剤およびワクチンの候補を同定するために、また、この複雑な寄生性原虫の生物学的性質の解明を進めるために、処理能力の高いプロテオーム解析を行った。原虫の生活環の四段階(スポロゾイト、メロゾイト、トロホゾイト、ガメトサイト)の性質を多次元タンパク質同定法(MudPIT)で調べたところ、2,400種を超えるタンパク質の機能プロファイリングは各段階の生理とよく一致していた。しかし意外なことに、感染赤血球の表面に存在する分子で多様な抗原性を示すvarとrifのタンパク質は、スポロゾイトでも多く発現していた。また、共発現するタンパク質をコードする遺伝子が染色体上でクラスターを形成していることが判明し、これは遺伝子発現制御機構の一つと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る