げっ歯類に感染するマラリア原虫は、長い間マラリア研究のモデルとして使われてきている。ここでは、その1つPlasmodium yoelii yoeliiのショットガン法による全ゲノム配列を報告し、ヒトの熱帯熱マラリア原虫Plasmodium falciparumクローン3D7のゲノム配列と比較する。P. y. yoeliiの2,212個の連続DNA配列(コンティグ)をP. falciparumの14本の染色体と並べたシンテニー(構造類似性)マップから、各染色体の主要部で遺伝子シンテニーが非常によく保存されていることが明らかになった。 P. falciparumの約5,300個の遺伝子のうち、主として代謝機能にかかわる3,300個以上の遺伝子について、P. y. yoeliiオーソロガス遺伝子が同定された。またサブテロメア領域に位置する、ある変異抗原遺伝子が800コピー以上見つかった。今回の成果は、寄生性のモデル真核生物としては初めてのゲノム配列解読であり、これから得られる知見は、マラリア原虫の生態と病気のモデル化にこの系を利用するうえで役立つだろう。