Letter 遺伝:ヒト熱帯熱マラリア原虫のゲノム塩基配列 2002年10月3日 Nature 419, 6906 doi: 10.1038/nature01097 熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)が原因で起こるマラリア症例は膨大な数に上り、アフリカでは100万人を超える小児が毎年これにより死亡している。本論文では、同原虫クローン3D7のゲノム塩基配列の解析結果を報告する。23メガ塩基からなる核ゲノムは14の染色体からなり、およそ5,300個の遺伝子をコードしており、これまで配列解読されたなかで最も(A+T)に富んだゲノムである。抗原変異に関与する遺伝子は、染色体のサブテロメア領域に集中している。自由生活型性真核微生物のゲノムに比べると、この細胞内寄生原虫のゲノムにコードされている酵素や輸送体の数は少ないが、遺伝子の大部分は宿主免疫からの回避や宿主―寄生体相互作用に割り当てられている。核にコードされる多数のタンパク質は、アピコプラストとよばれる脂肪酸やイソプレノイドの代謝に関与する細胞小器官へと運ばれる。今回得られた熱帯熱マラリア原虫ゲノム塩基配列は、この生物を今後研究するための土台となり、また、マラリア対策用の新薬や新たなワクチンの探索にも活かされよう。 Full Text PDF 目次へ戻る