Letter

地球:南極の氷の流れに見られる流れの方向の切り替わり

Nature 419, 6906 doi: 10.1038/nature01081

流速の速い氷の流れは、西南極内陸部から海洋へと氷を輸送し、その活動の揺らぎが氷床の質量平衡を制御している。西南極氷床のロス海域における質量平衡は、現在は正、すなわち氷床は成長しているのだが、これはほぼ150年前に、氷の流れの一つ(氷流C)の速度が遅くなったからである。本論文では、地表における観測とリモートセンシングの両方から、ロス海の排水系の非常に活発な性質を示す証拠を提示する。かつては氷流Cへ流れ込んでいた地域の流れの方向が変わり、現在ではウィランズ氷流(かつての氷流B)へと流れ込んでいることがわかった。このような流れの方向の切り替わりは、ウィランズ氷流が細くなり続けていることと氷流Cが最近厚くなっていることの結果である。氷床の表面地形は、内部の力学と長期の気候変動が組み合わさって得られる効果に応じて変わるので、さらに短い時間スケールでの氷流の活動と配置の再構成が、将来において突然起きると予想される。我々は、短期の質量変化の観測を用いて、氷床の長期の質量平衡について結論を導くことには注意が必要であると考える。

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