優れた電気伝導性をもつ材料は一般的に不透明であるが、高い伝導度と透明度の両立は、次々に登場するオプトエレクトロニクス応用に必要である。この目的のために、遷移金属または重金属からなるさまざまな透明酸化物(例えばインジウム・錫酸化物)がイオンドーピングにより電気伝導性を与えられている。しかし、そのような手法は、豊富にある典型金属の透明酸化物には役立たない。今回我々は、透明な絶縁性酸化物12CaO・7Al2O3を電気伝導体に変換できる処理法を示す。水素雰囲気下での熱処理により、酸化物のナノメートルサイズのケージにH-イオンが取り込まれる。続いてこの材料に紫外光を照射すると、照射をやめた後も持続する伝導状態が得られる。この光活性化材料は、室温で中程度の電気伝導度(〜0.3 S cm-1)を示し、可視光の吸収損失は200nm厚の膜でわずか1%であった。この手法は、他の典型金属酸化物にも応用可能で、絶縁性の透明媒体に伝導性ワイヤーを光学的に直接書き込んだり、高密度の光学メモリーを作成したりできると思われる。