Letter 物性:常金属における量子相転移 2002年10月3日 Nature 419, 6906 doi: 10.1038/nature01044 周期ポテンシャル中で運動する単一電子の量子力学に基づく古典的な固体理論は、半導体のシリコンから超伝導状態のアルミニウムにいたる物質を十分に説明できる。しかし、過去15年の間に、従来の理論では説明できない物質の存在が次第に明らかになってきた。これらの中には、高温超伝導体を含むある種の希土類化合物や遷移金属酸化物がある。これらの材料は共通して原子の不均一な混合物を含む比較的大きな単位胞をもっており、その意味での複雑性が特徴といえる。これらの材料の異常な特性に対する説明は数多く提案されてきたが、古典的理論で十分に説明できる可能性は依然として残っている。今回、非常にありふれたクロム合金が、もっと風変わりな材料が持つ量子臨界点、温度依存性の強いホール効果、「擬似ギャップ」の証拠などの特異な性質のいくつかを示すことを報告する。このことは、複雑さが異常な振る舞いの必須条件ではないことを意味しており、また、異常な特性を説明するという一般的課題をも単純化する。なぜなら、クロムは、従来の固体理論の結果を定量的に詳しく示せる、比較的単純な系だからだ。 Full Text PDF 目次へ戻る