Article 医学:マウスのハーレクイン変異はアポトーシス誘導因子を下方制御する 2002年9月26日 Nature 419, 6905 doi: 10.1038/nature01034 ハーレクイン(Harlequin;Hq)変異マウスでは、最終分化した小脳ニューロン、網膜ニューロンの進行性の変性が起こる。我々は、Hq変異がアポトーシス誘導因子(Aif)遺伝子へのプロウイルス挿入であり、挿入によってAIFの発現が約80%減少することを明らかにした。変異した小脳顆粒細胞は、内因性、外因性の過酸化物によるアポトーシスを起こしやすくなるが、これはAIFを発現させることで救済できる。野生型の顆粒細胞でAIFを過剰に発現させると過酸化物が引き起こす細胞死がさらに減少することから、AIFがフリーラジカル(遊離基)の捕捉剤としてはたらくことが示唆される。老化したHq変異マウスで細胞死を起こしているニューロンが、酸化ストレスの症状を示していることも、この見方を裏付ける。また、Hq変異マウスの小脳と網膜では、酸化ストレスによって損傷を受けたニューロンが、アポトーシスを遂げる前に細胞周期の進行を再開する。これらの結果は酸化ストレスが誘導する神経変性の遺伝的モデルを提示しており、老化した中枢神経系において細胞周期の再開と酸化ストレスとの間に直接の関連があることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る