Letter 気象:雲の乱流による雨の開始の加速 2002年9月12日 Nature 419, 6903 doi: 10.1038/nature00983 雲核における水蒸気の凝縮は、互いによく似た大きさの小さな液滴を生成する。液滴は衝突により融合して雨滴の大きさにまで成長すると考えられている。空気の乱流は数ミクロンの半径を越す液滴同士の衝突を生じさせる主な原因になると考えられており、したがって、雨の予測には乱流中の液滴の衝突を定量的に記述することが必要となる。乱流の渦は小さな遠心分離器の役割を果たし、重い液滴を外にはじき飛ばし濃度の不均質と液滴の噴出を生成するので、それによって平均衝突率が増大することになる。ここでは、乱流中の小さな重い粒子の衝突率に対する公式を、ランダムな軌跡を追跡するために最近開発された数学的表現を用いて求めた。これにより間欠的な乱流による慣性効果の強化と衝突率を決定する乱流と重力との相互作用を説明できた。我々は、空気の流れから分離される液滴の噴出による衝突に対して、「パチンコ効果」という新しい機構を提示する。空気の乱流は、雨の引き金となる大きな液滴の出現をかなりの程度加速しうると結論する。 Full Text PDF 目次へ戻る