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生理:内毒素が引き起こす組織損傷に対してリン脂質酸化物が示す保護作用

Nature 419, 6902 doi: 10.1038/nature01023

グラム陰性細菌の外膜成分であるリポ多糖(LPS)がLPS結合タンパク質やCD14に結合すると、これらのタンパク質はLPSをtoll様受容体4に提示する。するとtoll様受容体は、核因子κB(NFκB)とマイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達系を介して炎症性遺伝子の発現を活性化する。抗菌防御応答の1つに、好中球の活性化がある。好中球は、細菌を殺す作用をもつ活性酸素種を生産するので、NADPH酸化酵素やミエロペルオキシダーゼなどによって、宿主がもつ脂質の過酸化反応が起こる。酸化されたリン脂質は炎症誘発性アゴニストであり、アテローム性動脈硬化症における慢性炎症を促進するが、最近のデータでは、炎症性接着分子の発現を阻害する作用も持つことが示されている。今回、酸化されたリン脂質が、LPSとLPS結合タンパク質やCD14との結合を妨げることによってLPSが誘導する炎症性遺伝子の上方制御を阻害することを明らかにする。しかし、腫瘍壊死因子αが誘導する上方制御や、インターロイキン‐1βの誘導によりNFκBを介する上方制御は阻害されない。またLPSをマウスに注射すると、酸化リン脂質が炎症を阻害し、致死的な内毒素ショックを防ぐ。つまり重症のグラム陰性菌感染においては、内因的に形成された酸化リン脂質が、先天性免疫応答を鈍らせる負のフィードバック機構として働いている可能性がある。また、LPSなどの内毒素の作用を阻害できる物質の化学構造が解明できれば、敗血症の新たな治療薬の開発に役立つかもしれない。

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