Letter 宇宙:コロニス族小惑星の自転ベクトルの整列 2002年9月5日 Nature 419, 6902 doi: 10.1038/nature00993 小惑星族(大きな母天体の断片化によって形成された小惑星の集団)の研究は、太陽系の研究者に広く関心をもたれている。それは、小惑星族の研究が衝突過程のみならず、小惑星の内部構造、強度、組成の解明に役立ちうるためである。コロニス族の天体は、一個の均質な母天体の衝突破壊によって形成されたと一般に考えられており、そのため同じ形成年代と、その後の衝突の歴史を共有している。しかし、観測されたコロニス族小惑星の光度の時間的な変動(天体の自転による影響)は、予測された値よりも大きい。その理由としては、自転ベクトルが選択的に整列するという考え方が提唱されていたが、最近のモデル研究では小惑星族の形成によって小惑星の自転ベクトルがランダムに分布することが予測されている。いずれの仮説も観測的に検証されていない。本論文では、コロニス族のうちで最も大きな天体群での自転ベクトルの実際の分布では、明らかにランダムではない「自転の集団」が複数見られることを示す。小惑星族の形成と進化のモデルを自転軸傾斜の予測外の整列および自転軸傾斜と自転速度との相関関係を整合させることは、小惑星衝突過程の理解における新たな課題である。 Full Text PDF 目次へ戻る