Letter

生理:鳴禽の神経活動順序形成の基礎をなす非常に疎な神経コード

Nature 419, 6902 doi: 10.1038/nature00974

運動の順序は、多くの脊椎動物の脳に神経活動の複雑な時空間的パターンとしてコードされている。これを前運動パターンというが、それを生み出すための神経回路機構はよくわかっていない。鳴禽類のこうした前運動パターンの強力な一例が、さえずりの際に決まった順序で活動電位をバースト発火する古線条体の前脳大細胞核(RA)で、睡眠中にも同じ順序で活動を繰り返す。この論文では、RAの定型的活動順序が、RAへの主たる前運動入力源である高次発声中枢(HVC)核によって駆動されていることを示す。さえずり中、または睡眠中のキンカチョウについて、HVCの同定ニューロンから記録を行うと、RAニューロンに投射する個々のHVCニューロンは、まばらに、RAの発火中の特定な一時刻にだけ、バースト発火した。これら複数のHVCニューロンは、互いに順序をもって発火した。RA活動中のそれぞれの時刻には、HVCのうちRAに投射しているニューロンのそのとき活動している集団によって、RAニューロンの集合活動が駆動されていると考えられる。集団で見たとき、これらのHVCニューロンは、RA順発火中の時刻の明示的表現をなしている可能性がある。このような疎な表現は、視対象認識における「おばあさん細胞」概念の時間版ともいえ、順序形成の際、あるいはより分散した表現に帰せられる学習の際に問題となる、時間的干渉の問題を解消する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度