Letter 生化学:snRNPタンパク質U1Cは、塩基対形成をせずに5'スプライス部位を認識する 2002年9月5日 Nature 419, 6902 doi: 10.1038/nature00947 メッセンジャーRNA前駆体のスプライシングは、RNAとタンパク質という巨大分子でできた大型の構造スプライソソームで行われる。スプライソソームの集合は、in vitroでも一定の順序で起こり、酵母から哺乳類まで広く保存されている。その最初の段階は、酵母では前駆複合体(commitment complex)の形成、哺乳類ではE複合体の形成であり、mRNA前駆体をスプライシング経路へと引きこむ働きをする。この形成では、U1核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)とmRNA前駆体の5'スプライス部位との結合が起こる。in vivoでもin vitroでも、複合体の形成には5'スプライス部位とU1 snRNAの5'末端との間に塩基対が形成されることが必要で、この塩基対形成はきわめてよく保存されている。U1 snRNPのタンパク質もU1 snRNPの働きに寄与している。今回、snRNAの5'末端を欠失させたU1 snRNPが、5'スプライス部位配列に対する特異性を失わないことを明らかにする。また、酵母のU1 snRNPの1つであるU1Cタンパク質の組換え体が、5'スプライス部位に似た配列を選択することも明らかにした。この配列は最初の4個の塩基がGUAUで、酵母の5'スプライス部位のコンセンサス配列の場合と同じになっている。mRNA前駆体とU1 snRNAとの塩基対形成に先だってU1Cと5'スプライス部位の相互作用が起こり、これがスプライス経路の最初の段階であると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る