Letter

生態:渦鞭毛藻類のPfiesteria shumwayaeは外毒素の分泌によるのではなく捕食により魚を殺す

Nature 418, 6901 doi: 10.1038/nature01008

Pfiesteria piscicidaおよびその類縁種P.shumwayaeは、米国の大西洋沿岸中部域の河口水域において魚類に病変を生じたり、魚類を直ちに死に追いやったり、ヒトの疾患を引き起したりするとされる強力な外毒素を分泌すると考えられている。しかしながらフィエステリアに由来する毒素は単離も同定もされていない。今回我々は、P.shumwayaeが魚を殺すメカニズムを3通りの方法で調べた。本論文ではポリカーボネート膜を取りつけたものを、組織培養プレートに挿入して、稚魚を対象とするバイオアッセイを行った結果、魚と遊走子を物理的に接触させた場合に限って魚が100%死ぬことを報告する。遊走子と魚を膜でさえぎって非接触状態にした場合に死んだ個体は認められなかった。また魚を殺す作用をもつ培養液を分画遠心およびろ過して「渦鞭毛藻類」分画、「細菌」分画、「無細胞」分画を調製した。これらの分画を対象に稚魚を用いたバイオアッセイを行ったところ、個体死は生きた状態の遊走子を含む分画(「全培養液」分画と「渦鞭毛藻類」分画)でのみ認められ(24時間内に60〜100%)、「無細胞」分画または「細菌濃縮」分画では認められなかった。ビデオを用いた顕微鏡写真撮影および電子顕微鏡による観察では、遊走子が魚の皮膚へ移動して付着して活発に食らいつき、魚の表皮を速やかに剥いでしまうことが明らかとなった。本論文では、活発に魚を殺すP.shumwayaeの調製培養液中で強力な外毒素が分泌されていないことと、魚の死は捕食(micropredation feeding)に起因することを報告する。

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