Letter

宇宙:隕石のハフニウム‐タングステン年代測定で示された短期間での地球型惑星形成

Nature 418, 6901 doi: 10.1038/nature00995

初期太陽系における惑星集積の年代決定は、恒星形成や惑星形成のプロセスを完全に理解する上で極めて重要である。様々な放射性核種を用いた年代測定法が隕石に適用され、小惑星ヴェスタの表面に見られる玄武岩の溶岩流が太陽系の始まりから300万年(3Myr)以内に形成されたことが明らかにされている。このような速やかな形成過程は、惑星系形成が恒星形成から数百万年以内に起きていることを示唆する若い恒星の天文学的観測と大まかに一致する。しかしながら、ハフニウム‐タングステン同位体の幾つかのデータは、ヴェスタがもっと後(太陽系形成からおよそ16Myr後)に形成され、地球型惑星についてはさらに長い時間(+4504-14 Myr)を要したと結論づけている。本研究で我々は、幾つかの隕石のタングステン同位体組成とハフニウム‐タングステン比を測定した結果を報告する。我々のデータはこれまでの結果とは異なり、太陽系におけるメタル‐珪酸塩の分離の大部分が30Myr未満で完了したことを示している。この結果は、速やかな惑星形成を支持する他の証拠と完全に整合し、地球型惑星形成の主な成長段階の期間が比較的短い(約10Myr)と予測する動的降着モデルとも一致する。

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