Letter 化学:前照射処理によるフォトリフラクティブ高分子複合体の近赤外線感度向上 2002年8月29日 Nature 418, 6901 doi: 10.1038/nature00975 可逆的ホログラフィック記録媒体の様々な応用のなかで、特に興味深いのが、時間ゲート・ホログラフィック・イメージング(TGHI)である。TGHIによって、光コヒーレンス断層画像化法関連の非侵襲的医用診断手段が実現可能となるだろう。この技術では、生体透過性の高い近赤外光が生体資料に照射され、表面下の特徴に関する情報が、ある特定の深さに由来する反射フォトンと様々な深さで散乱されたフォトンとを識別する検出方法によって得られる。このような応用の際には、近赤外域において非常に高い感度を有する可逆的ホログラフィック記録媒体が必要である。フォトリフラクティブ材料、特に特定の非晶質有機材料系は、原理的には有望な候補媒体であるが、今までそれらの材料の感度は非常に低かった。これは主として、近赤外域における応答時間が長いためである。ここでは、好ましい近赤外特性を示す有機フォトリフラクティブ材料として、ポリ(アリーレン・ビニレン)共重合体TPD-PPV系複合材料について報告する。ホログラフィック記録前に、より短い波長の光でこの材料の前照射処理を行うことによって、応答時間が40分の1になることが示されている。この過程は可逆的であることが明らかとなった。実用的な条件下においてビデオレートでこの技術を用いた多重ホログラフィック記録について報告する。 Full Text PDF 目次へ戻る