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遺伝:加齢による知能減退に関与する遺伝子

Nature 418, 6901 doi: 10.1038/418932a

知能は年を取るにつれて減退するのが普通だが、これについて調べた報告によると、ある特定の遺伝子のコピーを1個もつ人では、この減退が著しいらしい。

今週号のBrief Communicationsで、英国エディンバラ大学のI Dearyたちはアポリポタンパク質Eの中でも神経細胞の修復にかかわる特定の種類のもの(APOE ε4)をコードしている遺伝子が、痴呆症やアルツハイマー病の明らかな症状が見られない高齢者で知能が大きく減退する場合に関与しているらしいと報告している。Dearyたちが調べたのは、1932年にスコットランド全国で当時11歳の学童を対象に行われた知能調査を受けた人々である。この調査の対象となった人達の生存者は現在80歳になるが、Dearyたちは、その内でエディンバラとその周辺に住む491人と連絡をとった。そして、痴呆症と診断された人を除外し、残りの人に11歳で受けたのと同じ知能テストをもう一度やってもらった。80歳になってからの点数は、11歳のときのテストの出来と大きく関係していた。また、APOE ε4遺伝子をもつ人々と、もたない人々では、11歳のときの点数は同じくらいだった。しかし、この遺伝子をもつ人々が80歳になったときの点数は、この遺伝子をもたない人々に比べて有意に低かった。

APOE ε4は、アルツハイマー病のかかりやすさに関係があると見られている。また、今回調べた集団内にはアルツハイマー病の何らかの症状が現れている人は誰もいなかったが、APOE ε4と知能減退程度とに関連が見られるのは、ごく初期でまだ検出できないアルツハイマー病による可能性もある。だが、知能が減退し、かつAPOE ε4遺伝子ももっていた人の数は、アルツハイマー病の自然発生率をはるかに上回っており、これによってAPOE ε4遺伝子とアルツハイマー病との関連性は薄まると、研究チームは述べている。

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