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医学:炭疽菌を検出して死滅させる溶菌性物質

Nature 418, 6900 doi: 10.1038/nature01026

炭疽菌Bacillus anthracisの休眠状態にある丈夫な胞子は、大量殺戮につながる極めて威力の大きな生物兵器の一つである。胞子は一旦吸入されると、肺胞マクロファージのはたらきで肺周辺リンパ節へ輸送されてそこで発芽する。その後、栄養増殖して大量の菌体および毒素が血中を満たし、処置を行わない場合には感染者の99%が死に至る。天然の抗生物質耐性炭疽菌および遺伝子工学的に抗生物質耐性を持たせた炭疽菌は、胞子が兵器として使用された場合の脅威を高めるので、意図的な放出後における治療法および胞子検出法の改善が強く求められている。我々は、炭疽菌を速やかに検出して死滅させるために、バクテリオファージに由来する溶解素(ライシン)と呼ばれる酵素に固有の結合特異性および溶解作用を利用した。本論文では、炭疽菌に感染するγファージから単離した溶解素PlyGが、炭疽菌分離株や他種類の炭疽菌のクラスターをin vitroおよびin vivoで特異的に死滅させることを報告する。栄養増殖期にある細胞も発芽段階にある胞子のいずれも感受性を示す。またPlyGの溶解特異性を利用して、炭疽菌を迅速に同定する方法を考案した。PlyGは、炭疽菌感染の治療および菌体の検出に利用できると考える。

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