Letter 物性:幾何学的フラストレート磁性体に現れた励起 2002年8月22日 Nature 418, 6900 doi: 10.1038/nature00964 フラストレーション系はどこにでもあるが、その挙動が予測しにくいことから興味深いものである。フラストレーションは巨視的な縮退を起こさせ、新しい性質の物質状態を導くことができる。磁気系にはスピン格子という好例がある。この系ではスピン間の全ての相互作用が同時に満足されることがない。今回、立方スピネル構造のZnCr2O4において、磁気相互作用のフラストレーションによって異常な合成スピン自由度が現れうる過程について報告する。冷却されると、6個のスピンから成るグループが、弱く相互作用する反強磁性ループに自己組織化する。このループの配向ベクトルは、スピンが平行または反平行に整列する唯一の方向であり、全ての低温ダイナミクスの基準となる。実験による証拠は非弾性中性子散乱による磁気形状因子の測定から得られた。実験結果は独立したスピンではなく六角形のスピンクラスターによって中性子が散乱されたことを示している。第一近似では六角形の配向ベクトルは互いに分離している。このことから、配向ベクトルの再配列はパイロクロア格子の局所的なゼロエネルギーモードが現れたものと思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る