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進化:微胞子虫類Trachipleistophora hominisにはミトコンドリア残存構造が見られる

Nature 418, 6900 doi: 10.1038/nature00949

微胞子虫類はいくつかの真核生物の細胞内絶対寄生生物である。この仲間は非常に複雑な固有の感染装置をもっているが、それ以外、構造的には単純に見える。微胞子虫類は、真核生物に通常あるミトコンドリアやペルオキシソームといった細胞小器官をもたないと考えられている。このことは、特異なこれらの真核生物が、ミトコンドリアの細胞内共生が起こる以前に分岐したものであり、真核生物の進化において最初期に分岐した系統の1つにあたるとする仮説を支持する材料になると解釈されてきた。しかし、微胞子虫類において、典型的なミトコンドリア性熱ショックタンパク質Hsp70と由来が共通する相同タンパク質をコードする核内遺伝子が見つかった。これは、ミトコンドリア自体もしくは細胞内共生菌が二次的に消失したことを示す証拠となる。さらに、遺伝子の系統樹やより精度の高い系統発生解析によれば、微胞子虫類は真核生物で最初期に分岐した仲間ではなく、菌類の仲間であるとされる。今回我々は、Trachipleistophora hominisのHsp70タンパク質に対する高度に特異的な抗体を使って、光学および電子顕微鏡下で、このヒトに寄生する微胞子虫類に、二重膜をもつ多数の微小(ほぼ50×90 nm)な小器官が存在することを見つけた。微胞子虫類にミトコンドリア残存構造が見つかったことは、酸素呼吸の本来的な機能が失われたような場合でも、真核生物がミトコンドリア小器官の消失を進めなかったことを示すさらなる証拠となる。

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