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神経:発音中も聴覚感度を維持する系列発火

Nature 418, 6900 doi: 10.1038/nature00919

話すことあるいは鳴くことは、発音者の聴覚系に二つの基本的な問題を課す。第一は自分の出した音と外からの聴覚刺激との区別、第二は脱感作の阻止、である。ヒトや他の多くの脊椎動物では、発声中に脳の聴覚ニューロンが抑制されるが、その抑制の性質はほとんどわかっていない。今回、発音中のコオロギの聴覚ニューロンから細胞内記録を行い、求心性神経のシナプス前抑制および同定された聴覚介在ニューロンのシナプス後抑制とが、発音パターンに同期して起こることを見出した。シナプス前抑制もシナプス後抑制も、実際の発音のないコオロギの摘出中枢神経系でも保存されていたので、発音のための運動神経網の系列発火(corollary discharge)の結果として起きていることがわかる。過分極性電流の通電によって介在ニューロンの抑制を模擬すると、音圧100デシベルの音響刺激に対する発火応答が抑制され、その後に与えたより弱い刺激に対する応答が維持された。したがって、コオロギでは系列発火による抑制が、自分の発音への神経応答を縮小し、同時に自分の発音による聴覚系の脱感作を防いでいると考えられる。

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