Letter 物理:結合量子井戸における励起子の暗状態での長距離輸送 2002年8月15日 Nature 418, 6899 doi: 10.1038/nature00940 過去10年間に、励起子のボース凝縮の実証を目的とした多くの理論的・実験的研究によって、励起子のボース凝縮についての実験にとって結合量子井戸が有望な系であることが明らかになってきた。これらの研究を進める動機となった論点の1つが、励起子の長距離コヒーレント輸送の可能性である。量子井戸中の励起子は、通常はレーザーパルスによって生成されたスポットから数ミクロンしか拡散しない。励起子の拡散は励起子の寿命(通常は数ナノ秒)と井戸構造中の欠陥による散乱により制限されている。今回、我々はInGaAs量子井戸中のホトルミネセンスを測定し、励起子からのルミネセンスがレーザーで励起されたスポットから数百ミクロン離れて現れることを観察した。このルミネセンスはレーザースポットを取り巻く1個のリングとして現れ、レーザースポットとリングの間の領域にはほとんど現れなかった。このことは励起子が特定の臨界距離に達するまで暗状態で移動し、そこでまとまって発光状態に戻ることを暗示している。この効果が励起子のボース凝縮による巨視的なコヒーレンスに関係しているか否かは明確になっていない。 Full Text PDF 目次へ戻る