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細胞:転写コアクチベーターPGC-1αは、収縮の遅い速筋繊維を形成させる

Nature 418, 6899 doi: 10.1038/nature00904

骨格筋の繊維のタイプがどのように決定されるか、その制御の生化学的基盤ははっきりと解明されていない。I型繊維(収縮の遅い速筋繊維)は、特定の筋原繊維タンパク質を発現していることに加え、ミトコンドリアの含有量がII型(収縮の速い速筋繊維)よりも多く、酸化的代謝への依存度が高い。我々は以前に、転写コアクチベーターであるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体‐γコアクチベーター‐1(PGC-1α)を同定したが、これは褐色脂肪や骨格筋などいくつかの組織で発現されていて、ミトコンドリアの増殖と酸化的代謝を活性化する。本論文では、PGC-1αがI型繊維の多い筋肉で選択的に発現されていることを示す。トランスジェニックマウスで、筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーターを用いてPGC-1αを生理的レベルで発現させると、筋繊維のタイプの変化が観察される。つまり、通常はII型繊維の多い筋肉の赤みが増し、ミトコンドリアの酸化的代謝にかかわる遺伝子が活性化される。特に、PGC-1αトランスジェニックマウスのII型と予想される筋肉も、トロポニンI(slow)やミオグロビンなどI型繊維に特徴的なタンパク質を発現し、電気刺激による疲労に対する耐性が非常に高くなる。繊維のタイプに応じた特異的プロモーターを利用して、培養筋細胞ではPGC-1αがMef2タンパク質と協同して転写を活性化し、遅筋繊維遺伝子の発現にかかわるとされるカルシニューリンシグナル伝達の標的になることを明らかにした。これらの結果は、PGC-1αが筋繊維のタイプ決定を制御する主因子であることを示している。

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