Letter 物理:収差補正電子光学を用いて1オングストローム未満の解像度を実現 2002年8月8日 Nature 418, 6898 doi: 10.1038/nature00972 1930年代に電子光学が発明されて以来、レンズの収差によって空間解像度は撮像電子の波長の50倍程度にとどまっていた。この状況は17世紀にレーウェンフックが直面したものと似ている。レーウェンフックはガラス製レンズの質を改善し、その結果は運河の至る所にいる「極微動物」の発見、すなわち生物が細胞より成ることの最初の手がかりに直接結びついた。電子光学における収差の問題は当初からよく理解されていたが、電子顕微鏡での現実的な補正方法が実証されるまで60年以上かかり、またその後も残された色収差が解像度に制約を加えていた。今回、我々はコンピューター制御された収差補正システムを、色収差の影響を受けにくい走査型透過電子顕微鏡に適用したことを報告する。この方法を用いて、電子プローブの直径を1Å未満にした。この性能は120keVの電子の波長の約20倍であり、カーボン基板上の島状の金と共存する金の単一原子、少数の原子からなるクラスター、そして金原子の単原子層の「ラフト」の動的な撮像を可能にした。またこの技術は、シリコンの損傷閾値よりも低いエネルギーの電子ビームを用いて、半導体の原子列を撮像し単一のドーパント原子の検出を可能にするはずである。 Full Text PDF 目次へ戻る