Letter 化学:芳香族吸着質から半導体への3フェムト秒未満の電荷移動の実験的証拠 2002年8月8日 Nature 418, 6898 doi: 10.1038/nature00952 電子移動過程が超高速時間スケールで起こることは、多くの生物系や工業用デバイスにおける役割を果たす上で重要である。色素増感太陽電池では、光励起された色素分子からナノ構造をもつ半導体基板への電子移動は、損失過程を十分に上回れるほど速い必要があり、その結果として太陽エネルギーの高い変換効率が達成される。時間分解レーザー技術により、色素から半導体への電子注入に必要な時間の上限は20から100フェムト秒だと示されており、これは、電荷の再分布や励起状態の分子内熱平衡化といった競争過程が起こる時間スケールに対応する。今回、以前に単純な系での電子移動を時間分解能を1桁改善して監視するのに用いられた共鳴光電子放射分光法を用いて、芳香族吸着質からTiO2半導体表面への電子移動が3フェムト秒未満で起こりうることを示す。この結果から、芳香族分子の基板への電子カップリングは十分に強くて競争過程を抑えられることが直接確認される。 Full Text PDF 目次へ戻る