Letter 生理:消化管ホルモンPYY3-36は摂食を生理学的に抑制する 2002年8月8日 Nature 418, 6898 doi: 10.1038/nature00887 摂食は、弓状核のメラノコルチン系および神経ペプチドY(NPY)系を含む視床下部で調節されている。シナプス前の抑制性受容体と推定されているNPY Y2受容体(Y2R)は、末梢ホルモンが作用しうる弓状核のNPYニューロン上で強く発現されている。Y2RのアゴニストであるペプチドYY3-36(PYY3-36)は、食事のカロリー摂取量に応じて食後に消化管から放出される。今回、ラットにPYY3-36を末梢注入すると摂食が抑制され、体重増加が鈍化することがわかったので報告する。PYY3-36は野生型マウスの摂食も抑制するが、Y2rヌルマウスの摂食は抑制しない。これは食欲抑制作用にY2Rが必要なことを示している。PYY3-36を末梢投与すると、弓状核におけるc-Fosの免疫反応性が上昇し、視床下部におけるNpy遺伝子のmRNA量が減少する。またPYY3-36を弓状核内に注入すると摂食が抑制される。さらにPYY3-36は、NPYニューロンの末端における電気的活動を抑制することで、隣接するプロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンを活性化する。食後の通常濃度のPYY3-36をヒトに注射すると食欲が有意に減退し、注射後24時間の摂食量が33%低下した。したがって食後のPYY3-36の上昇は、弓状核のY2Rを介して消化管‐視床下部経路に作用することで摂食を抑制している可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る