Letter 化学:単一パルスでコヒーレントに制御された非線形ラマン分光法と顕微鏡 2002年8月1日 Nature 418, 6897 doi: 10.1038/nature00933 分子振動は分子構造を反映する周期をもつので、検出や同定の分光学的指紋として利用されている。現在のところ、すべての非線形分光法は、そのような振動の観測には2本以上のレーザービームが使われている。典型的な分子振動周期よりも持続時間が短い超短(フェムト秒)光学パルスの登場により、単一パルスを用いて分子振動をコヒーレントに励起することが可能となった。今回我々は、液相中の数種類の分子について、励起と読みとりの過程が同一のパルスで行われる単一パルス振動分光法を実行した。単一パルス分光法のおもな難点は、パルスの帯域幅内のエネルギーをもつすべての振動準位が励起されることだ。我々は、量子コヒーレント制御技術を用いることにより、パルス帯域幅よりも2桁近く狭い高分光分解能を達成した。パルスの分光学的位相を適切に変調することにより、複数の経路間の量子干渉を利用して所定の振動準位を選択的に占有させ、同じパルスでこの占有状態を探ることができた。我々が、単一レーザービームで作動するコヒーレントな反ストークスラマン(CARS)顕微鏡を構築して示したように、この手法は、単一の広帯域レーザー光源を使用しており、非線形顕微鏡としての応用は特に魅力的である。 Full Text PDF 目次へ戻る