Letter 生化学:Rad50の亜鉛フックという構造は、DNA組換えと DNA修復の際にMre11複合体を結びつける働きをする 2002年8月1日 Nature 418, 6897 doi: 10.1038/nature00922 Mre11複合体(Mre11-Rad50-Nbs1)は染色体の維持に重要な役割をもち、相同組換えやテロメアの維持、姉妹染色分体の結合の際に機能する。これらの機能すべてから示唆されるのは、2個のDNA基質間に何かを介した結合が形成されることだが、その分子基盤はまだわかっていない。ここでは、Rad50のコイルドコイル領域の2.2Å結晶構造を報告する。この構造から、コイルドコイル領域の頂点にある、二量体形成の仲介となる意外な構造が明らかになった。この構造では、よく保存されたCys-X-X-Cysモチーフが対をつくって留め金(フック)のように組み合わさり、このフックに1個のZn2+イオンが結合している。生化学データ、X線データ、電子顕微鏡データが示すように、これらのフックは反対方向に突き出したRad50のコイルドコイルドメインをつなぎ合わせて、最大1,200Åもなる柔軟な架橋構造を形成している。Rad50のABC-ATPアーゼドメインにある長い挿入部の機能が、これから示唆される。このRad50フック構造が機能を果たしていることは、この構造に変異が起こると酵母が放射線照射に感受性になり、フック構造とは離れた部位でのMre11ヌクレアーゼとの結合が破壊されることでわかる。これらのデータは、2個のDNA結合ドメイン間に金属を介した架橋複合体を形成するときにRad50のコイルドコイルが構造を保つ役割を果たすことを裏付けている。このようにして生じた構造は、相同組換えの際の姉妹染色分体や非相同末端結合の際のDNA末端を結びつけるのに適した長さや性質をもっている。 Full Text PDF 目次へ戻る