Letter

地球:北海で発見された直径20kmの多重環状衝突構造

Nature 418, 6897 doi: 10.1038/nature00914

ほとんどの地球上のクレーターは、激しく浸食され、保存状態は悪く、地上にのみ露出している。ここでは、三次元地震反射法データの解析により北海で発見された、多重の環状を成す衝突構造について述べる。この構造は直径20kmで、クレーターの中心から2kmと10kmの間に少なくとも10個の明瞭な同心円が存在する。この構造は白亜紀のチョーク(石灰岩)層とジュラ紀の頁岩に影響を及ぼし、衝突後に形成された数百メートルの第三紀層の下によい状態で保存されている。年代は6000〜6500万年前まで絞り込まれている。同心円の環状衝突構造が、このような比較的小さいスケールでも形成されうるとは、特に地球型惑星上ではこれまでは考えられていなかった。本論文では、この環状構造の地図を水平方向にも深さ方向にも数10メートルの分解能で作成し、それらが、低歪み速度により形成される地質的な剥離構造の断層系で見られるような、断層で区切られた地溝帯の構造を持つことが判明した。古深度が500mより深い層には断層は存在していないようであり、同心円の環状構造は、チョーク層内で強度の弱い層が剥離したことにより、衝突後にクレーターの穴の方向に伸張して生じたと推測される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度