Letter 物理:ピコ秒磁場パルスの整形による超高速歳差運動磁化反転 2002年8月1日 Nature 418, 6897 doi: 10.1038/nature00905 1954年に磁気記憶ディスクが初めて発明されて以来、磁気記憶デバイスの速さ、ビット密度や信頼性を向上させることに多大の努力が払われてきた。磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)装置の場合、メモリセル全体の歳差運動による高速で揃った磁化回転が望ましい。磁壁の運動による磁化反転では遅すぎるからである。原理的に、歳差運動による磁化切り替え時間の基本的限界は、歳差周期の半分となる。しかし過少減衰系では、激しいリンギングを起こし、シミュレーションの示すところでは、その結果次に来る書き込みパルスによって、MRAMの磁気素子の望ましからぬ逆切り替えが容易に発生し、かくてデータの完全性を脅かすことになる。本論文では、揃った磁化回転により、リンギングを起こさずに、過少減衰系の磁化を反転させる方法を示す。これは、磁気素子に固有の特性に適合するよう特別な形に整形した磁場パルスを加えることで行われる。また、空間3方向の磁化成分をすべて検出して、リソグラフィで作ったマイクロメートル大の楕円形パーマロイ素子の中で、確実な歳差磁化反転がおよそ200ピコ秒の切り替え時間で起こり得ることを証明する。これは自然減衰の時定数の1/10の短さである。 Full Text PDF 目次へ戻る