Letter 進化:中途半端な擬態の進化 2002年8月1日 Nature 418, 6897 doi: 10.1038/nature00845 きわめて正確なベーツ型擬態(味のよい被食生物が、捕食者の忌避するモデルに姿形をよく似せている場合)の事例は、自然選択の威力を表すものとして、しばしば引き合いに出される。多くのハナアブ類によるハチ類の擬態のように、モデルにあまり似ていない擬態には、あまり多くの関心が払われてきていない。不完全な擬態を適応の面から説明づけようとする研究からは、人間から見ると大ざっぱにしか似ていなくても捕食者にはよく似たものに見えている可能性、あるいは、中途半端な擬態をすることで数種類のモデル種に広く類似性をもたせられる可能性が示唆されている。しかし本論文では、モデル生物が単一であって実に粗略な擬態が、血縁選択によって、完全な擬態よりも好まれる可能性があることを示す。信号検知理論から考えると、捕食者は、モデルと擬態者の相対的頻度および類似度に応じて識別のレベルを適応的に調整していることになる。もしモデルの頻度が少ないか、味があまりまずくないか、その両方である場合、局地的な擬態者の類似度が大きいほど、攻撃を受ける率は高くなる。個々の擬態者が近くにいる他の擬態者と血縁関係にある場合には、血縁選択が正確な擬態の進化を妨げるはずである。 Full Text PDF 目次へ戻る