Article 遺伝:酵母Saccharomyces cerevisiaeのゲノムの機能プロファイリング 2002年7月25日 Nature 418, 6896 doi: 10.1038/nature00935 遺伝子欠失の作用を突き止めることは、遺伝子の機能を解明するうえで基本的な方法である。従来の遺伝子選別法には偏りが見られ、ある表現型に関与する複数の遺伝子を見落とすことも少なくない。我々は酵母Saccharomyces cerevisiaeの遺伝子欠失変異体がほぼそろったコレクション(注釈づけされたORFの96%)を系統的に構築した。「分子バーコード」とも呼ばれるDNA塩基配列を使うことで一意的に各株を特定でき、同時並行的に複数株を増殖させて解析したり、高密度オリゴヌクレオチドアレイへのハイブリダイゼーションによって各遺伝子の適応度への寄与を定量的に評価することが可能となる。本論文では、よく研究されている6つの条件下(高い塩分濃度、ソルビトール、ガラクトース、pH8、最小培地、ナイスタチン処理)での最適な増殖には、既知の遺伝子と新規の遺伝子が必要なことを示す。調べた条件のうち4つでの最適増殖にも必要とされる遺伝子は、メッセンジャーRNA発現が有意に増大した遺伝子のうち7%に満たない。我々の成果は、酵母の遺伝子欠失変異体コレクションがゲノム機能解析のための有用な研究資源となることを実証するものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る