Letter 化学:シングルバブル・キャビテーションにおける光子、ラジカル、イオン生成のエネルギー効率 2002年7月25日 Nature 418, 6896 doi: 10.1038/nature00895 マルチバブル(複数気泡)・キャビテーションに関連する化学的性質を定量的に分析することは極めて困難である。これは、活性気泡の数、各気泡に作用する音圧、気泡サイズ分布など未知のパラメータが存在するためである。シングルバブル(単一気泡)・ソノルミネセンス(ピコ秒単位の閃光を特徴とする)は、音場における1個の孤立した蒸気‐ガス気泡の非線形脈動に起因する。キャビテーションの化学活性を研究する目的には、単一気泡の環境の方がかなり単純であるが、単一気泡中の反応ガスが微量(<10-13モルが典型的)であることが定量測定の妨げとなっていた。ここでは、シングルバブル・キャビテーションの気泡内で化学反応が起こっていることを示し、気泡崩壊におけるエネルギー散逸源を定量化する。また、亜硝酸イオン、ヒドロキシルラジカル、光子の収量を測定する。ヒドロキシルラジカル生成のエネルギー効率は、マルチバブル・キャビテーションの場合に匹敵するが、発光のエネルギー効率はマルチバブルの場合よりはるかに高い。観測された亜硝酸イオン生成速度は、窒素の気泡への拡散速度の計算結果とよく一致している。我々は、蒸気圧が相当に高い液体中のシングルバブル・キャビテーションにおける到達温度が、崩壊しつつある気泡内部の多原子種の吸熱化学反応によって大きく制限されると考えている。 Full Text PDF 目次へ戻る