Letter 免疫:TRAF6シグナル伝達を開始するための独自の分子機構 2002年7月25日 Nature 418, 6896 doi: 10.1038/nature00888 腫瘍壊死因子(TNF)受容体会合因子6(TRAF6)は、TNF受容体(TNFR)スーパーファミリーとインターロイキン‐1受容体(IL-1R)/Toll様受容体(TLR)スーパーファミリーの両者のシグナル伝達系に関与する唯一のTRAFファミリーの一員である。TRAF6は適応免疫、自然免疫及び骨のホメオスタシスに重要である。本論文では、TRAF6が複数のシグナル伝達経路を媒介するメカニズムを理解するために、TRAF6単独及びTNFRスーパーファミリーであるCD40とTRANCE-R(RANKとしても知られている)のTRAF6と結合するペプチド断片との複合体の結晶構造を報告する。TRAF6に結合した場合とTRAF2に結合した場合とではペプチド断片の方向が40°異なることから、TRAF6と他のTRAFによる受容体の認識が大きく異なることが示された。このペプチドとTRAF6の相互作用の構造決定基はPro-X-Glu-X-X-(芳香族/酸性アミノ酸残基)TRAF6結合モチーフであることが明らかとなり、これはCD40やTRANCE-Rばかりでなく、IL-1R/TLRシグナル伝達に関わる3つのIRAKアダプターキナーゼにも存在する。このTRAF6結合モチーフを持つ細胞透過性のペプチドはTRAF6シグナル伝達系を阻害し、このことから治療用の調節因子として応用できる潜在性が示唆される。我々の研究は、適応免疫、自然免疫及び骨のホメオスタシスにおける複数のシグナル伝達経路をTRAF6が調節する普遍的な機構を明らかにするものである。 Full Text PDF 目次へ戻る